血液の仕組み

再生不良性貧血は、血液をつくっている骨髄の働きが衰えて細菌の感染や出血が起こりやすくなる病気です。遺伝したり伝染したりすることはありません。

血液の仕組み

「骨髄とは」硬い骨の真ん中にあるゼリー状の部分で、そこには造血幹細胞(全ての血球の種)が含まれており、それが血液をつくっています。

 

「血液の働き」赤血球(RBC)その中にヘモグロビンを含んでおり,肺から酸素を体のすみずみにまで運ぶ働きがあります。白血球(WBC)感染から体を守ります。

 

白血球はさらに、好中球、リンパ球,単球,好酸球,好塩基球に分けられます。細菌に対しては,おもに好中球が、ウイルスに対しては,リンパ球が戦います。血小板(PLT)けがをした部分の血を固める働きがあります。

 

「骨髄の役割」血液細胞のたえまない生産は,一生涯にわたって必要です。なぜなら、各々の血液細胞は一度骨髄を離れて血液のなかに入ると生存期間が限られているからです。赤血球は120日,血小板は6日,白血球は1日かそれ以下です。

 

骨髄はすばらしい血液の生産工場であって,常に必要とする数の血液細胞を供給しています。また必要量が高まった場合、すなわち出血の際には赤血球や血小板が増えますし、感染の恐れがある際には、白血球が増加して異常事態に対処します。

 

血液の生産は、骨髄という環境の中でしか行われません。植物の種子がやせた土地で育たないように,血液幹細胞は不適切な環境下では、生存も増殖もできません。骨髄における血液幹細胞の生産の低下は,血液幹細胞もしくは骨髄微小環境に起因しており、これらが障害された結果が再生不良性貧血です。