再生不良性貧血の治療

再生不良性貧血は、血液をつくっている骨髄の働きが衰えて細菌の感染や出血が起こりやすくなる病気です。遺伝したり伝染したりすることはありません。

再生不良性貧血の治療

輸血や感染症に対する抗生剤などの当座のものと、骨髄移植や免疫抑制療法など根本的な治療法とがあります。

 

「輸血」輸血することにより、一時的に血液細胞を増やすことができますが、根本的な治療にはなりません。

 

「重症度別の根本的治療法 」(重症再生不良性貧血)骨髄移植が重症再生不良性貧血の治療にまず選ばれます。重症と診断された場合には、家族内でHLA検査を至急におこない、移植が可能な専門施設へ転院するのが望ましいと考えられます。

 

HLAが一致する確立は兄弟姉妹間で1/4、まれに両親と一致することもあります。家族の中でHLAの完全一致したドナーがみつからない場合には、骨髄バンクを通じて非血縁間の適合ドナーを探すことができます。

 

HLA一致ドナーが得られない場合や、40歳以上の骨髄移植によりよい治療成績が得られていない成人では、免疫抑制療法がおこなわれ、効果が得られるまでには、2~3ヶ月を必要とします。(中等症再生不良性貧血)中等症でも頻繁に輸血が必要な場合には、HLA一致の兄弟間ドナーがいれば、骨髄移植がおこなわれることもあります。

 

一般には,免疫抑制療法や蛋白同化ホルモン療法がおこなわれ、効果が得られるまで数ヶ月から半年を要します。副作用としては、肝障害や男性化、低身長などがみられることがあります。(軽症再生不良性貧血)軽症の場合は、無治療で経過観察をするか、蛋白同化ホルモンが使用されます。